この前買収が行われたと聞いたけど、買収にはどんな意味があるのだろう・・・.
買収のメリットやデメリットって何・・・
こんな疑問にお答えします。
この記事を読むと・・・
・会社の買収、買収戦略についての知識が深まります。
是非この記事を読んであなたの会社について考えてみてください。
買収とM&Aって?
近年、企業の経営戦略としてM&Aという経営手法が用いられるようになりました。M&Aとは、Merger(合併)と Acquisition(買収)の頭文字をとった言葉です。
M&Aとは、企業の合併や吸収を指す言葉です。ここ数年で活発に行われるようになってきました。企業のコア事業の強化や経営のスピード化、事業成長や展開の効率化を進めるために一般的になってきました。
M&Aについては物流業界の改革で必要なM&Aとは?で詳しく説明しているので、M&Aについて気になる方はまずこちらをご覧ください。
今回はM&Aの一形態である買収について説明します。
買収とは?
買収とは、ある企業が他の企業を支配する目的で発行済株式を過半数買い取ることである。
原則的に、過半数の発行済株式を取得すると、「子会社化」といわれます。
※例外的に、過半数に満たない発行済株式の取得であっても実質支配基準により子会社化されることもあります。
具体的に発行済株式の取得状況
・過半数の発行済株式を取得
・3分の2以上の発行済株式を取得
によってどう変わるのか説明します。
・過半数の発行済株式を取得した場合
普通決議による決定事項を自由に行うことができ、一般的に会社の支配権を確保している状況となります。
例えば、株式会社の取締役は、株主総会において議決権の過半数をもって選任する為、過半数の株式を取得していれば、自由に取締役を決定することができます。
・3分の2以上の発行済株式を取得した場合
上記した「過半数の発行済株式を取得した場合」に加えて、特別決議による決定事項を自由に行うことができ、定款変更や組織再編などが可能になります。
つまり3分の2以上の発行済株式を取得するとほとんどの経営権を得ることになります。
これにより、スクイーズアウトも検討することができます。
スクイーズアウトとは・・・同意を得ることなく少数株主を排除する手法のことです。スクイーズアウトを行うことで、支配株主が全ての株式を取得することができます。
・買収と合併の違いについて
買収は、1つの会社が別の会社の株式や事業を買い取ること。
→オーナーが変わるのみで、基本的に変更はないケースが多い。
合併は、2つ以上の会社が、1つの会社になること。
→もう1つの会社は消滅し新たな組織となるため大幅な変更が生じる。
・友好的買収と敵対的買収について
買収といっても、この友好的買収と敵対的買収が存在します。
友好的買収は、買収対象となる会社の経営陣の同意を得た上で実施される買収のこと。
日本で実際に行われる買収のほとんどが友好的買収です。
友好的買収では買収対象となる会社から協力を得ることができる為、円滑に買収が進む可能性が高いです。
敵対的買収は、買収対象となる会社の経営陣から同意を得ずに実施される買収のこと。
買収対象の会社の株式を市場で買い集めたり、TOB(株式公開買付け)を実施したりして、過半数の発行済株式を得て、対象の会社の経営権取得を目指します。
敵対的買収には様々な防御策があり、経営戦略の一つとして防御策を講じておくことが必須である。
買収のメリットとは?
まず大前提として買収の一番の目的は、安定的な会社の成長です。
会社の成長のために行う買収にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
1.規模の経済の実現
規模の経済とは・・・ある一定の生産設備の下で、生産量や生産規模を高めることで単位当たりのコストが低減されるということ
買収を行うと規模が大きくなる可能性があり、その結果規模の経済を実現でき、製品一つを生産するコストが下がります。
2.事業の多角化
買収を行うことで、今まで自社の収益源に加え、買収企業の収益源が確保できることにより、経営の安定化につながります。
その他に、他分野への参入が可能になることもあり、バリューチェーンの拡大につながります。
3.人材や設備などの獲得
買収を行うことで、買収先の人材や顧客が獲得できます。
人だけでなく、買収先の施設や設備なども獲得できます。
自社で施設や設備を整えるよりはるかに低コストで獲得できます。
4.シナジー効果(相乗効果)
メリット3で述べたように、買収を行うことで、買収先の人材など様々な資産を得ることができます。
そういった得た資産と自社の資産を組み合わせることで、シナジー効果を生み出すことができます。
買収のデメリットとは?
1.期待していたシナジー効果が得れない
買収後、元々の計画通りに会社運営ができず、期待してたシナジー効果が得られないことがあります。
シナジー効果を過度に期待しすぎないことが重要です。
シナジー効果を期待しすぎた結果、予想していた利益が得れず、会社買収時の費用対効果が低くなってしまうことがよくあります。
2.優秀な人材の流出
買収後、計画通りに会社経営が進まないことなどで、従業員に不満が溜まり、優秀な人材が退職してしまうこともあります。
従業員に理解してもらうような会社経営を行うことが重要です。
まとめ
今回は、M&Aにおける買収について説明しました。
買収は、安定的な会社の成長のために行われ、買収先企業の発行済株式を過半数取得することによって行われます。
買収のメリットは
1.規模の経済の実現
2.事業の多角化
3.人材や設備などの獲得
4.シナジー効果
です。この他にも多くのメリットは存在します。
買収のデメリットは
1.期待していたシナジー効果がうまれない
2.優秀な人材の流失
です。買収にもデメリットは存在するので、慎重に行う必要があります。
いかかがでしたか。買収について理解が深まるきっかけになれば幸いです。
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