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【株式会社大松運輸】仲松社長:「人」から「人」へつなぐ仕事

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物流CEOインタビュー[No.022]

株式会社大松運輸 仲松社長

「「人」から「人」へつなぐ仕事」

今回の物流CEOインタビューは「株式会社大松運輸」の仲松社長です。株式会社大松運輸は昭和47年2月に設立され、神奈川県横浜市金沢区幸浦2-14-2に本社を置く物流企業です。仲松社長の経営思想を物流CEOナカノヒトが紐解きました。それでは、インタビューを見ていきましょう。

株式会社大松運輸の仲松社長のキャリア

ーーーこれまでのキャリアを教えていただけますでしょうか?

仲松社長:父が立ち上げた会社だったので、その後を継いだというところもありますが、私自身は全く興味がありませんでした。最初に就職したのは、乗馬クラブの仕事でした。子供のときから馬が好きで、そういった仕事をしたいと思って那須高原に就職しました。かなり好きではないとできないような仕事で、結婚して子供ができてといった、ちゃんとした生活水準で考えると少し難しいか思って、父の会社に戻って仕事することになりました。これは継ぐつもりでやっていたわけではなくて、結婚して生活をしていくというつもりで最初は入ったものですから、親子となると言いたいことも言い合える感じだったので、折り合いが悪くなってやめてしまいましたね。これが最初の大松運輸に入ったきっかけです。

そこから自分の好きな動物関係に就職したいと思って、大手のペットの商社に営業職として就職しました。やはりそれはそれで残酷で、精神的な部分であったり、休みもお客さんから連絡がきたりすると休んだ気にもならないので、そういうところも考えると、営業職も大変だと思いました。車で通勤できたこともあり24時まで働くことは毎日のようにありました。そこで営業職が自分に向いていないと思って、次は建具屋さんに就職しました。主にマンションのドアなどを作っていた会社で、埼玉の妻の実家の近くにあるので、生活基盤を埼玉に移そうと思って家も買って建具屋さんで働いていました。

しかし父も高齢になってきて、後継ぎの話も出てきました。最初に入って辞めた時は、別に父が人間的に嫌いだから辞めたわけではないので、正月やお盆休みに帰るといった付き合いはあり、その中で会社を畳むか身売りするかという話もしていました。埼玉に家を買っているから動く気はないと意思表示はしていましたが、今の社員の中で経営を任せられる人はいないという結論になり、そういうことであれば、最後の親孝行ではないですが、戻ろうと思って、私だけ横浜に戻って仕事をしています。家族はそのまま埼玉に残った形でもう16年です。父もずっと続けていれば、多分死ぬまで苦労するのかなという気もありましたし、やめるといえども、下請けではなくほぼ全てが直のお客さんだったので、そういった責任感もあっておそらく死ぬまでやっていくんだろうなと考えて、戻ってきたのが経緯です。

株式会社大松運輸について


―――御社の事業や会社の特徴、強みを教えていただけますか。

仲松社⻑ :戻ってきた当時は私もドライバーでしたし、社員も30人くらいでした。そういった小さい運送会社は1人個人事業主のような、トラック1台1人という形になり、どうしても休みが取れなかったり、高齢になると続けられないという今後の不安もあります。建築関係の荷物が多かったので、特に体力が必要な運送業でした。今後の不安も考えたときに、このまま続けるのは難しい、何かを変えていかなきゃいけないと思いました。まずは仕事を増やして、例えば土曜日休みの会社さんを取ることによって、土曜日がある会社さんと土曜日がない会社さんをローテーションして休みが取れるようにしようと思いました。

15、6年前はインターネットでしっかりしたホームページを作って、そこから仕事に発展させようという会社はあまりなく、ホームページ制作も300万円かかると言われました。ただ営業さんもうまいこと言うなと思ったのですが、300万円かかりますが、営業マン1人300万円ですよね、営業マン1人だと年間の人件費ではもっとかかるかもしれないですね。そうすれば1人の営業力しかないところに300万円かけるよりも、全世界に見てもらえます、月5万円60回払い、5年で元が取れますよ、と言われましたね。月5万円か、と考えたときに、かけてもいいかなと思って、ホームページを作ったのが1つの転機となりました。食品や4トン車などいろいろな運送がありますが、うちは建築関係で生きていこうと決めていたので、ここに特化しています、というすごく尖らせたホームページを作りました。ニッチなところですが、そういったところを見ていただけるお客様が何社かいらっしゃって、そこから少しずつ仕事が増えていきました。

当時は運転手不足と言われてはいましたが、募集をかければかなり応募は来たので運も良かったということもありますが、それで仕事を増やして、人を増やす形をとっていこうと始めました。小規模の運送業はインフルエンザでも出てこいみたいな形になりがちです。お客様の配送がどうしても残ってしまうので、私自身も助けることもできない。そういう状況を変えなきゃいけないと思っています。お子さんの運動会にも出られないですし、改善しなきゃいけないなと思って今まで来ました。

あとは自社の倉庫を持って配達しようと思ったこともまた、1つの転機ではありますね。何も倉庫に入れるものはありませんでしたが、大きな倉庫を借りて本社も今のところに移転させました。自分の場所から配送することも考えないと、得意先さんにトラックも人も預ける形になるので、なかなか動かすことが出来なくなります。1社1台で運賃が決められているものですから、毎年給料はあがる、それを得意先さんに運賃を上げてとも言えません。そこは自社で路線便をやることで1社あたりの単価を上げようと思いました。自分たちで仕事を取ってきて、1社あたりの単価も上げていくことで給料も上げる。そのためには倉庫を持つという意味を考えていかないといけません。現在は瀬谷と湘南に2つ倉庫ができたので、そこからどんどん広げていくことも可能です。それは1社あたりの単価を上げることで給与を上げることにつながったり、会社の魅力につながります。お客さんとしても、1件でも運びますよという言い方をすれば、コストが下がる話にもなりますし、お互いいい関係で進められますね。まだ道半ばではありますが、少しずつ形になってきていると思っています。

株式会社大松運輸の仲松社長が思う今後の物流業界について

―――2024年問題やコロナ明けの物流など、今後の物流業界がどうなっていくと考えられていらっしゃいますか?

仲松社長 :コロナのこともあって、ある程度物流も落ち着いていると思いますが、近い将来コロナも終わると思っていますし、終息した際にはまた物流の人の問題は出てくると思っています。特にコロナの状況になって、なんでもインターネットで買えるようになると、物流はやはり大事になってくるし、そこに従事する人も少なくなってくると、どのように今後収めていくのかという懸念はありますね。

どちらかというと我々はBtoBの仕事なので、リフォーム現場に行く際にはお客さんと接することはありますが、どちらかというと企業さんから仕事をもらうという形なので、その部分が増えていく運送会社が多いと考えていますね。運送業界は6万3000社ある中で中小零細が9割以上を占めている業界ですし、高齢化が進んでいることもあり、小泉政権の時は規制緩和でどんどん運送会社が増えていきましたが、逆に今度は廃業が増えると思います。自動運転は必ずできて、長距離は自動で幹線道路をトラックが走る時代は遠くない将来くると思っています。ドローンに関しては、都市部で飛ばすのは難しいですが、地方や離島では始まってきていますので、そういったものは進んでいくと思っていますね。

ただ弊社の仕事は、物をAからBに運ぶというだけではないので、大きなドアやフローリング、トイレなどの住宅機器、新築の現場では材木やいろいろな材料がありますが、それを誰が持っていくのかというところまでをサービスとしています。そこがあるからうちがあると思っているので、まだまだ自動運転は難しいでしょうし、ドローンも難しいと思いますね。人が人に届ける、その最後の部分はまだ続いていくような気がしています。

 

―――御社の方でPRしたいことはありますか?

仲松社⻑ :弊社はアスリート採用というユニークな採用をやっています。トップアスリートではないけれどまだ活躍できる人たち、競技は続けたいけど競技をする時間がない、就職もしなければいけない、そういう子たちがたくさんいます。元々弊社は社員がFC琉球のJリーガーだった経験から、サッカーはしたいけど働き口も少ないといったことがきっかけで生まれた取り組みですが、本当にそうだと実感していますね。問い合わせも多いですし、やりたい人を受け入れる企業が少ないと感じています。今は陸上競技の方が多いですが、陸上だけではなくて、いろいろなスポーツで同じことが言えますし、スポーツに限らず、芸能関係とか自分がやりたいことをやっていきたい子たちにも働き方があると思っています。

100人ほどの社員がいますが、平均年齢は35、6歳なので、すごく若い方が多くきていただいているのはすごくありがたいですね。そこから波及させて、陸上競技をやめるけれどドライバーとして普通の会社員として働きたいという子も新卒で来ています。会社の規模も大きくなることによって、ドライバーだけは終わらないということも1つの見せ方でもありますし、キャリアアップで、人としてこういうふうにしていきたい、例えば営業職をやってみたいとか、責任者としてやっていきたいとか、組織をまとめる方に行きたいとか、多方面にいろいろとできないと面白くないですよね。生活をしていくためにストレスを抱えて、仕事が大変だって言って生きていくだけじゃつまらない、みんなが生き生きと仕事して、仕事でも何かやりたいことを見出してくれればいいと思っています。

 

物流CEOナカノヒトより 「仲松社長、インタビューのご協力ありがとうございました。」

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<会社概要>
  • 会社名 :株式会社大松運輸
  • 代表者 :仲松社長
  • 設立  :昭和47年2月
  • 本社住所:神奈川県横浜市金沢区幸浦2-14-2

 

 

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