物流CEOインタビュー[No.010]
「”運ぶ”ことに誇りを」
今回の物流CEOインタビューは「株式会社安立運輸」の出島社長です。株式会社安立運輸は昭和35年4月に設立され、東京都荒川区東日暮里2-20-4に本社を置く物流企業です。出島社長の経営思想を物流CEOナカノヒトが紐解きました。それでは、インタビューを見ていきましょう。
- 本記事の内容はインタビュー時点での情報です。
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安立運輸株式会社の出島社長のキャリア
―――代表就任に至るまでの経緯を教えてください
出島社長 : 大学在学中にアパレルの会社を起業して男性用オシャレ下着の製造販売を行っていました。その後代表を退任して、リクルートのリクナビでバイトをしておりました。卒業後、新卒で食品メーカーの営業職に就きました。私は運送業と農業を繋げられたらおもしろいだろうなと思って、農業に近しい会社を模索し見つけた会社でした。実際に農業の実情などの勉強をすることができました。そして東日本大震災後の2011年の8月に安立運輸に入社することになりました。2014年2月に突如、父親である先代社長が急逝してしまい、私が代表に就任しました。代表になるまでの間はドライバーさんの横にいてコースを覚えたり、運行管理者の試験を取って、デジタコの日報チェックをやってというような日々を過ごしていました。
―――当初から会社を引き継ぐ前提でキャリアをお考えだったのですか?
出島社長 :高校生ぐらいの時からこの会社を継ぐんだろうなと勝手に思っていました。いずれは戻るっていう感覚はありましたので、色々と勉強してからっていう風には考えていました。 しかし、父の他界は想定外でしたので、想像していたよりも早く引き継ぐことにはなりましたね。
―――代表就任に至るにあたり、大変だったエピソードを教えてください
出島社長 : 新聞輸送をメインにし、会社が大きくなっていったので、新聞輸送以外のことをやったことがないというのがネックでした。他の配送に応用が効かないということです。私は、入社する前から客観的にこの会社を見ていたので、この先新聞発行部数の減少が起こることも想定しておりました。ただ、「読売新聞社からお仕事を頂いているので、安泰。だからこのままでいい。」という考えが当時は当たり前でした。なので、変化をする、成長をするという認識が薄かったです。そういった認識をすり合わせていくのが大変でもありましたが、みんなの成長も楽しむことが出来ました。当時は会社のHPすら無い会社でしたので。
―――代表就任時の車両台数はどのくらいだったのですか?
出島社長 :220台前後だと思います。私が入った時から台数はほぼ変わっていないです。
安立運輸株式会社について
―――事業を運営していく上での方針を教えてください
出島社長 : 現在は、トラックの稼働率を上げることに注力をしています。トラックを買って増やすというよりも、今あるトラックを稼働させることで利益率を上げる。なので、まずはトラックを動かす仲間を増やしていくがとても大切だと思っています。うちのトラックの形は非常に特殊で、新聞紙を運ぶことに特化しており、他の仕事をマッチさせるのが大変です。そのため、現在は新聞でも、一般貨物輸送の仕事もできるような形状に変えていっております。
―――エリアも幅広いと思うのですが、全国に展開しているのですか?
出島社長 : そうですね。新幹線の自動運転はこれから始まってくるので、中長距離の配送はやらずに各地域の地場配送に力を入れようと思っています。理由としては、大手さんの資本に勝てないという結論です。だから、地場配送に注力していきます。今後、高速道路を使った幹線輸送は自動運転になっていくと予想しています。しかし、まだまだ一般の道路での自動運転は難しいと思っています。
まず地場配送でしっかりと力をつけ、各地域に展開しようと考えています。
―――管理体制において意識していることを教えてください
出島社長 : 労働時間の管理は徹底しています。地域別の色はありますが、管理がずさんになっていることはないですし、車両管理もきちんと行っています。各地域の営業所で、しっかり点呼をやって、伝えるべきことを伝えて、行動するということをしています。もちろんGマークもきちんと取れるようにしていますので、管理体制でいうと点呼記録も取っていますし、出退管理や結構早い段階でデジタコも導入し、万全の体制を模索していますね。
―――経営において大切にしていることを教えてください
出島社長 :安心して働ける会社でいられるように成長を続ける会社であることです。うちの経営理念は「共に歩み 共に進む」です。私たちはこれまで、”従業員”と”お客様”と”社会”と共に歩んできました。今までもこれからも、”従業員”と”お客様”と”社会”と共に成長していく。
という、「共に成長していく」という思いが経営理念となっています。
―――この経営理念に至った経緯について教えてください
出島社長 : うちの会社、これまで経営理念がありませんでした。「うちの会社の経営理念ってなんだろう?」と思ったときに、今までどういう風にうちの会社は歩んできたのか?というバックグラウンドをず考えました。うちは新聞輸送業で大きく成長してきました。毎日新聞という情報を読者にお届けする情報インフラとして、日本の会社の成長を陰ながら支えてきたと思っています。そして、お客様の要望にきちんと応えた結果、お客様と共に成長することができました。そう考えて、現在の経営理念に至りました。
―――経営理念を従業員の皆さんへ浸透させるために、行った施策などはありますか?
出島社長 : 最初に社員総会で全員に発表しました。その際トラック型のお菓子を作って、そこに経営理念を記載したカードを作ってみんなに配りました。また、毎月のメッセージや、資料の中に忍ばせていたりしています。
―――ドライバー採用については紹介が多いのですか?
出島社長 : 昔はほぼ紹介でした。2015〜6年ぐらいからパタっと採用広告を出しても来なくなって。
―――そんな中、どのような対策をしたのですか?
出島社長 : たくさんの求人広告を出してみました。どの媒体に一番反響があるかというデータに基づいて、広告媒体を選定しました。時には、中途採用の合同説明会に行きヒントを得たり、新卒採用なども行い、沢山の仲間を増やす事に注力してきました。
―――貴社にマッチしたドライバーさんはどのような方ですか?
出島社長 :「安定的に仕事をしたい」という方にはうちの会社はオススメだと思っています。そもそも「長時間労働はさせない」というのが大前提。働きやすい環境を構築、激しい仕事もないし、そもまで大変な仕事もありません。
安立運輸株式会社の出島社長が思う今後の経営・物流業界について
―――貴社の今後ビジョンを教えてください
出島社長 : 「働き方」でいうと一人の時間が多く、他の人にたくさん指示されることや、営業などの数字のノルマを負わされる事はないわけじゃないですか。だからきちんと安心・安全に、荷物をお客様のところに届けることができるようになれば、ある程度自分の中で自由に仕事ができるというところが魅力だと考えています。「働きがい」でいくと自分の持っていた荷物が、お届け先で喜ばれるということをさらに皆さんが認識していただけるともっと働きがいもでてきます。東日本大震災でもそうでした。物流が止まったとき、ドライバーさん達がトラックを動かすことによって、この社会が回っているということを体感したと思います。「運ぶ」ということは、我々、物流業の誇りであり、「俺たちの仕事ってかっこいい」と思ってほしいなっていう風に思います。
―――読者へのメッセージをお願いします
出島社長 : 安心・安全な基盤で楽しく働くならうちの会社に来てくださいね!
物流CEOナカノヒトより 「出島社長、インタビューのご協力ありがとうございました。」
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